Sunday, May 17, 2015

Neo traditional

ここ最近トラッド系のデフォルメされているデザインのものばかり載せていた感じがするのでちょっと久々にリアル目なネオトラ的なのも載せてみます
(書き始めてから気づきましたがかなり長いやつです今回のBLOG)

大まかに説明すると僕がメインにしているスタイルが二通りあるんですが

・ボールドラインスタイルのオールドスクール風なデフォルメされたシンプルなもの(traditional)
・リアル目でアンティーク風なデザイン(neo traditional)
厳密にいうと一つ目もトラディショナルではないのでしょうがウチではそういう風にカテゴライズしています。


ちなみにこういうのどうやってオーダーするんですかー?というお客様がわりと多いのでその辺りのお話しもまぜながら今回は書いてみますねー

↑海外からのお客様です台湾だったかな?
「インディアンガールでお任せ」というオーダーでした。
海外からのお客様なので1日で仕上げられるデザインで最大限魅力的なものになるよう考えました。
首から上と手だけのデザインでも髪の毛や顔の角度目線などで動きのあるような構図が出来る様考えました。
毎回かなり悩むのが色味のチョイスでこれ次第で同じデザインでもまとまって見えるようになることもあればイマイチになってしまう場合もあります。
僕は色数をかなり出して彫る方なんですが同系色の数が多くグラデーションの中での多色使いが多いので仕上がってみるとかなりまとまった印象になります。
渋めのデザインが多いスタイルなので色を出している段階では皆さんに「そんなにつかうんですか?」とよく驚かれますが仕上がるとわりとシンプルになるので比較的大人っぽい仕上がりに満足して頂けます。


↑上の二枚は現在取りかかっている脚一本レッグスリーブのクローズアップ写真です
オーダーは詩人マザーグースの「ソロモングランディ」という当時の男性の一生をシンプルに一週間で表した詩をお任せで女性版で描いてくださいという変わったものでした。
先ずカウンセリングに来て一番最初に言われたのが「この詩をとりあえず読んでください!」でした笑
正直詩がシンプルすぎてかなり難しかったですがせっかくお任せして頂いているので気合を入れて考えてみました。
お客様が絵の感じを伝えようとして出てくる言葉から絵を作っていくことには慣れているんですが
挿絵もない短い詩を読んでそれを絵としてしかも足一本でデザインするというのはかなり骨が折れましたねー

お任せとはいえ規制や情報が少ない中でゼロから作っていくのは凄く難しいんですが逆にとても楽しいです。
全てお客様に決められてしまうとお客様の想像しているそれ以上のものは出来ないので仕事としては簡単で分かりやすくていいのですが規制が少ない方がやりがいがありますね。試されてる感というかなんというか。
画像は赤ちゃん部分が月曜日、顔がダブっているのが木曜日金曜日のパートです。
ソロモングランディを知らない方はまったくもって意味が分からないと思いますが気になったらググってみてください。


↑こちらはバンクーバーの女性彫師さんからオーダーを頂いたお任せCATです
こちらもこれと言って特に指定はなく手の甲に猫をお任せでと言われ描きました。
事前に今入っているTattooの写真やご本人のインスタ等拝見させて頂いてこんなのが似合うかなー?とか考えながら描きましたがとてもよくお似合いで良かったです。


↑お任せピンナップのオーダー
てんとう虫と懐中時計を絡ませてとだけご指定を頂いたのでてんとう虫はアクセサリーにさせて頂きました。
身体も小柄で痩せ形だったのでシンプルに首から上位の構図にまとめ、一つ一つのモチーフがどの角度から見ても歪みなく見える様構図取りやサイジングを悩みました。


↑こちらはカバーアップですね
頭の上のお城部分、髪の毛、髪飾りでタバコサイズ位の妖精とコインサイズの星を5~7個程?(いくつだか忘れました笑) カバーしてあります。
すっかりわかりませんねー
ちなみにデザインはモチーフの指定すらもされていないまったくのお任せです。
カバーの際は丸っとお任せ頂いた方が自然なカバーになるかと思います。
もちろんそこまで信用して頂ければの話ですが。
逆にこの絵でここは絶対こうでここに花が来て色はこれで~等細かく指定が多いとカバーもうまくいかない、デザインとしてそもそも綺麗ではないかっこよくない等々なデザインになることが多いです…。
散々言われるがまま毎晩何日も徹夜して描かされた挙句気に入らず、最初に僕の言っていた案に戻ってまた一から描き直しなんていうのも少なくない話です。
ただカウンセリングもしっかりとさせて頂いて、勿論相談の上で進めていくのでこだわりのある方は何でも言ってくださいね!
お任せじゃなきゃやらないとかそういうことは決してありませんのでー!

↑これはまたなんかいつもと違いますね笑
「はいからさんが通る」という昔の漫画の「蘭丸」ってキャラクター を僕のスタイルで描いてくださいというオーダーでした。
お客様からは当初、「髪の毛や顔などもENさん風にお任せでやってもらいたい」とご依頼頂いたのですがこれは流石に自分流にしすぎてしまうとこのキャラクターの良さが無くなってしまうなーと思い、このキャラクターの資料も少なかったので原作の漫画家さんの他のキャラ絵のタッチ等色々な資料を見ながら勉強してネオトラスタイルとの良いとこどり位のデザインに落ち着けたつもりです。
ラインの取り方や色の塗り方なんかはしっかりとトラッドっぽく、それでいて原作の雰囲気も壊さない良いデザインになったのではないでしょうか?
とても可愛いんですが実はこのキャラ「男の子」なんですよ笑


↑友達の女性彫師に頼まれてデザインしたものです
オーダーは「動物と植物でお任せでーなんでもいいでーす」みたいな感じでした
何も情報がないと難しいというのは先ほども書きましたがこういったオーダーが来ると僕は先ずストーリーがあると描きやすいなーとか思ったりして、動物の出てくる古いお話しや神話、寓話、童話を調べまくったりします。

今回のこのキツネは「雅歌(がか)」 というヘブライ聖書に書かれた恋の詩の第2章15節に出てくるブドウ畑を荒らす小狐をイメージして描きました。
このお話に出てくるキツネは(不貞、欲望、略奪や色欲)を表しているらしいです。
雅歌はソロモンの歌としても知られていてソロモン王が書いたとされています。
マギやシンドバッドの冒険を読んでいる僕はソロモン王とか聞いただけで若干高まりますねー

何はともあれお任せでーと言われてもただ何となく描き殴るではなくこういう風に色々調べて頭の中で風景やお話しを思い浮かべながらデザインしていくのはとてもスムーズに仕事が進めやすく尚且つ楽しく勉強になります。


↑これはわりと新作ですね
お客様からのオーダーは「八咫烏(ヤタガラス)で和風でも洋風でもトラッドでもネオトラでも好きにしてください」って感じでした笑
本当に普段の僕の仕事写真を色々見てもらっていて、ありがたいことにどれも好きだと仰ってくださっていたので、カウンセリングで色々とお話しをさせて頂いてこういう感じのネオトラ路線で行くことにさせて頂きました。
とはいえ和風なのも好きそうだったので花は牡丹のようなものを使ってみたり折衷感が少し出てもいいなーと考えながらやってみました。

八咫烏は日本のキャラクターの様なイメージが強いですが中国や北朝鮮などの伝承にも多く出てくるようです。
ほとんどが太陽にまつわる話で出てきます。
エジプト神話にも登場しますし、ギリシャ神話に出てくるアポロンの使いのカラスも三本足のものが数多く描かれているらしいです。
アポロンも太陽神と同一人物だという説もあるようなのでやはり太陽の神の使いの様なものなのかもしれませんねー


↑これはまだ途中ですが数年ぶりにうちの嫁に彫ったものです
オーダーは「猫×女の子」でした
特にストーリーなど無いんですが流石に何年も一緒にいると面白いもので嫁の趣味や好きな感じがわかってきたりします。
そしてそんな感じど真ん中で描きました。真顔でコーヒーこぼしそうなところが気に入ってます。
実はこれを彫るにあたってもう1枚事前に描いていたんですがそっちは僕が彫りたかったもの、こっちは嫁の好きそうなものって感じで本人に選んでもらい結局こちらのデザインに落ち着きました。
来月辺り空き時間があれば続き彫りたいですねー

こう見るとみなさんあまりオーダーらしいオーダーはされていないですね笑
よくよく考えると僕のお客様は9割位お任せでと言ってくれている気がします。
ありがたいですねー本当にー

結果僕のデザインの仕方論みたいな話になってしまったような気もしますね
でもまぁこんな感じです。
あとはカウンセリング等しながらどんな感じがこの人のこういう体系にはどんな感じがハマって、この場所だとどう入るとスタイルが良く見えて、どういう絵が似合うかなー?ってそういうのばっかり考えながらお話ししております。


さてここからはまた別のお話しなんですが
よくお客様やSNS等のネット上などで
「夫婦お互い彫師だと彫り合いっことかできていいですねー」とか
「ENさんのタトゥーうらやましいですー」とか嫁が言われているところを見たりしますが
身内なんて一番後回しですよ実際。
今回嫁に頼まれたのも恐らく頼まれてから3年は経過しております笑
完全にお客様優先でお仕事させて頂いております。
そもそも通常のお客様のお仕事だけでここまで毎日寝ずに働いているのに身内にまで気が回りません。


ネットで「うらやましいですー」とか「いつかは入れてほしーですー」とか
「お忙しいからなかなか予約とれないんですよねー?」とか直接電話やメールで問い合わせすらよこしてきたことがない方々から言われることが多々ありますが
ちゃんとお客様を中心に考えてお仕事させて頂いておりますのでお時間の都合がつけばカウンセリングは直ぐにでも受けられますし、ちゃんとご予約を入れて頂ければ2か月後には彫ることが出来る筈です。
小さなワンポイントやフラッシュワーク、持ち込みデザインならばキャンセルなどで空いてさえいれば当月中にも彫れます。

ああいう不特定多数の方が見ているところでやれ確証の無い「予約が取れないだの」「高い」だ「安い」だなんだかんだというのは正直やめて頂きたいなーと常々思ったりします。
ちなみに僕は凄く高いと思われている方が多いらしいのですが、実際大きな作品を彫っている殆どの方には「安すぎる」と言われることの方が多いくらい安いと思います。
彫るのも早いので年々器用貧乏になっていっている気がします。
切実に5年前よりお客さんも彫ってる数も断然全然増えているのに5年前より収入がかなり減っているという恐ろしい現実にぶち当たっております笑
でもまぁとにかくやたら早く仕上がってしまうので最近は3か月以上も待つことは殆どなくなりました。
殆どの場合長くても2か月程度で施術の予約が取れる筈です。

まぁお金の話は良しとして

ネットやメールの失礼な方が多いのにちょっとイラッとはしますよね。
恐らく携帯メールに依存した現代っ子特有のものなんだとは思いますが
問い合わせのメールに誰宛かも書かない、自分の名前も書かない、なぜかハンドルネームのようなものやなんかどこの誰だかわからないようなペンネームのようなものやアーティストネームのようなものが書いてあったりする。

↑これ無茶苦茶多いですよね
仕事として依頼しているつもりがあるんでしょうか?本当に…
顔も見たことがない、面識もない方に顔文字や絵文字をバンバン使われて挙句名前もなんだかわからないとかどういう対応をすればいいのかわかりません。


とりあえず愚痴を言っても仕方がないのでBLOGには定期的に書いていると思いますが
当店のメールは複数の彫師で共有しているものなので、必ず担当彫り師名(EN宛、MICA宛等)とご自身のお名前を毎回明記の上ご連絡ください。(毎回ですよー)
彫師の名前もご本人の名前も書かれていないと誰がどういった内容で返信して良いのかわかりません。

お友達との携帯電話のメールと違い私共はお客様のお名前とメールアドレスをその都度登録していたりしないので自動的に名前が出てきたりはしないんです。
必ずお名前入れてくださいねー!
(メールアドレス変えましたー登録宜しくねー)みたいなメールも必要ありません。そもそも登録していませんし。

あと、最近携帯電話のメールアドレスからのお問い合わせに返信をさせて頂くとメールが届いていないことがたまにあるようです。
迷惑メールの設定にはじかれない様設定しなおしていただくか、PC等の端末からお問い合わせ下さい。

もし1週間以上返信が無ければお電話にてお問い合わせ頂けるとありがたいです。






ひゃーながかったー


こういうの書くとイライラしてる風ですが全然怒ってたりするわけじゃないので安心してくださいねー
お仕事のご依頼としてのやり取りをスムーズにしたいのと、 こういったやり取りひとつで相手に嫌な思いや悪い印象、苦手意識を与えてしまうのは本当に勿体ないなー損してるなーと思う訳なのです。

依頼する側もされる側も気持ちよくやり取りをして気持ちよく絵を描いて喜んで帰って頂けるのが一番ですからねー


おやすみなさい





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