Saturday, September 14, 2013

Cover up ~カバーアップ~

最近カバー多いすねぇ
週に2~3人はカバー彫ってる気がします
まぁカバーは普通のTattooよりずっと工程が多く時間もかかってしまうのでマメに通って頂くパターンが多いんだと思います


まずは写真左側の目から羽の生えたこのTattooが右側の様な感じに仕上がりました
この図柄はヒポカンパスという上半身が馬で下半身が魚の神獣がモチーフです
前から見るとこんな感じで胸付近に上半身がきております
こういう風に主題のくる場所をカバー部分以外に移してあげることによって視点をずらし
カバーアップ部位に行きがちな視点をづらしていってやります
カバー部分にはこの鱗のような細かいラインが多く細かくブロック分けしながら塗っていける柄を選ぶと元の絵柄を消しやすいです
ちなみに上の写真の鱗部分はこの状態でカサブタも剥がれ落ち着いている状態なのでこれ以上透けることはありません
綺麗に消えましたねー


続いてはこの真っ黒なチョウチョのTattooです
左がBefore右はまだ途中ですが現在進行中の写真です
カバーを始める前に下ごしらえをします
こんな感じで元のTATTOOの上から複数の色を混色しつつ薄くなるように下地を作っていきます
あくまでもレーザー等は使用しておりませんTattooの技術のみで消していきます
カバー前のTattooの色味にも寄りますが大体この工程を3~4回程度ダメージを作らない様に2週おき位に繰り返してまいります
とにかくノーダメージでしっかり彫る!技術も根気も必要ですがコレが後々ジワジワ効いてくるんです

新しい絵柄の筋が入るまでにもかなり根気強く通って頂かなければなりません
お金も時間も相当かかりますがその分他のどの店よりも確実に満足して頂けるカバーアップが出来ると自負しております
ちなみに下記写真は彫りたての画像ですので落ち着くと元のTATTOOがうっすらグレーになったような感じになります
このままの状態で残るわけではないので勘違いしないようにー!
このまま残ってくれたら楽なんですけどねぇ
長い下地作りが終わりかなり薄くなってきたところで上からカバー用のラインを引いていきます
今回は桜と元々入っていたチョウチョにも愛着があるようでしたのでチョウチョのシルエットを抜きの絵柄で足していきます
この時のせる筋もしっかりとカバーが出来て目の錯覚で視点をずらしたり出来るようイチイチ細かい計算をしながら作っております
カバーはとても頭も使います
中卒の僕はいつも頭を抱えながら仕事しております
ここまでくれば後はガンガン彫り進めるのみです
とはいってもカバー用に下地を作った部分はかなり新しいTATTOOが入り辛くなっているので根気何度も重ねていきます
ここでもノーダメージが基本です10日もかからずに薄皮がペロッとめくれて治ってしまうはずです
とりあえずカバー部分に一回色を入れて落ち着いた状態が下の写真です
もうこの時点で殆ど古いTATTOOの面影はないですねー
でもまだまだ重ねていきます

白やピンクといった淡いカラーでもカバーはできるんです
上で紹介したヒポカンパスのカバー部分もかなり淡いパステル系の色でカバーさせて頂いております
黒く塗れば良いと思ってる彫師さんが多そうですが出来ない事はないんですよー

ちなみにここまで来るとなんとなくお分かりいただけると思いますがカバーアップは余白(TATTOOの入っていない部位)がどの程度使えるかによって絵の自由度が変わって参りますとにかく主役は別の部分に置き視点をずらす、これができないと只の細かいごちゃついた絵になってしまいます
たまに「このサイズより一回り大きいくらいでー」なんていうご依頼もありますが
勿論カバーアップならどこよりも上手くやる自信はありますがお断りさせて頂くことも多々御座います
カバーアップは特殊な仕事なので通常のTATTOOの様に自由にオーダーは出来ません
カバーに適したモチーフ、構図、デザインを選ぶ必要があります
尚且つ使えるサイズは広ければ広いほど上手くカバーできます
その辺りだけご理解いただいた上でご連絡ください
なんでもは出来ませんが出来る限り最善を尽くさせて頂きます



これも衝撃のBefore Afterですねー
左の背景が真っ黒な天使を右の小鳥TATTOOで消していっております
レターもかなり真っ黒で太いトライバルの様な感じで入っておりました
基本的な工程は上の桜と同じ感じですねー
下地を数回に分けながらしっかりと作って行き薄くなってきた所で筋をしっかりガッツリと彫っていきます
通常のTATTOOよりもより濃いライン取りでしっかりくっきり彫ります
濃い黒は目の錯覚を引き起こし下地にグレーっぽく透けている元のTATTOOに目が行きづらくなるようです
その後カラーも2回程度しっかりと重ねて彫ってあげると
こんな感じに仕上がります
さすがにオレンジの様なとろみの無い色を一回彫っただけの部位に関しては多少透けてますがそれ以外は完璧ですねー!
ちなみにコレも鳥部分はもう瘡蓋も剥がれ落ち着いている状態でこの色味なのでこれ以上は絶対に透けてきません


こちらはタッチアップですね
右がBeforeで左がAfterです
元のTATTOOの気に入らない部分を直しつつ全体のイメージは変えずにしっかりと彫りなおしております
よく見ると盾の中の日章模様が薔薇になっていたりアンカーの形が変わっていたりとチョイチョイ小細工は施しております
かっこよくなりましたねー!
こんな感じで他店さんの直しなども意外とやるんですよ!


これは結構前なので見たことある人も多いかもしれません
ブラックパンサー→フクロウのカバーアップです
一枚目がBefore二枚目がAfterです
これは上の方のカバーの様に下地を作ったりはしておりませんが
やはり余白部分にメインを移し目の錯覚を利用したカバーアップとなっております
実際にブラックパンサーをカバーしているのはフクロウの羽部分とサイドの飾りの葉っぱ部分だけでフクロウの顔や昆虫の様なアクセサリー等を腕の外側に新たに配置してあげることで内側がメインだったTATTOOを外側がメインの新しいTATTOOに作り変えております
目を引く顔や派手な小物等が別の部分に来るとそれだけでカバー部位は気にならなくなってしまいますね
人間てバカですねー 

こんな感じで根気がいりますがコツコツとカバーアップをこなしていっております
通常のTATTOOより相当時間がかかるのでカバーのお客様とは基本的に長いお付き合いになりますw
僕はカバーをする時には所謂「カバーアップっぽいTATTOO」にならないようにしたいなーと思いながら絵柄を作ります
トライバルや真っ黒な鯉や真っ黒な龍のカバーはもう見飽きたので
只の新しいTATTOOを入れて帰ってもらうような満足感のあるカバーが出来るといいですねー

これからも精進して参ります




【最近の作品はこちらから】

【料金について】



DETROITDIESELTATTOOWORKS(世田谷)
世田谷区南烏山4-21-1下山ビル2F(京王線 千歳烏山駅徒歩5分)
open 12:00~20:00(木曜定休)
TEL・FAX 03-6750-1969
info@detroitdiesel-tattooworks.com   

http://detroitdiesel-tattooworks.blogspot.com/ 
http://detroitdiesel-tattooworks.com/ 
http://en-tattoo.tumblr.com/   

No comments: